歯周外科治療
Severe Periodontal Disease重度歯周病について
重度歯周病は歯のグラつき・膿の発生等、症状が顕著です
歯周病が中等度以上に進行すると、生活に支障が出ることもあります。例えば、歯周病が進行すると歯を支える歯槽骨が溶かされるので、次第に歯がぐらつき始めて食事をしにくくなっていくでしょう。また、炎症によって膿がたまると口臭もきつくなります。
この段階に至ると、歯周ポケットが6mm以上に広がっていることが多く、歯根にも多くの歯石が付着しています。
治療としてはできるだけ歯を残すことを重視しますが、周囲の歯を守るために抜歯を検討することもあり得ます。いずれにしても患者さまと相談しながら治療を進めていきます。
こんなお悩みありませんか?
- 口臭が強くなる
- 歯のグラつきが強く、食事に支障をきたす
- 歯ぐきが下がり、歯が長くなったと感じる
- 歯と歯の隙間が空き、食べ物が挟まりやすい
- 化膿が進み、歯茎から膿が出る
- 口のなかがネバネバする
重度歯周病の治療
歯周病の進行が激しくなければ、スケーリングやルートプレーニング、ブラッシングの改善などの歯周基本治療で状態を改善できます。また、清潔な状態を作ってから歯ぐきのマッサージをすることで歯肉が引き締まり、歯周ポケットを浅くすることも可能です。
一方、歯周基本治療で改善できないほど進行している場合は、状況にあわせて、外科的な治療によって歯石を除去したり、歯槽骨を再生したりするケースもあります。
歯周病と全身疾患のかかわり
お口の中に歯周病菌が増えると、身体の各所に悪影響が及びます。例えば歯周病を発症していると炎症が増えることで糖尿病が悪化しますし、糖尿病は歯周病を悪化させるので負のスパイラルが起こります。また歯周病菌は血管内で血栓を作る作用があるため、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。さらに妊娠している方の場合、早産や低体重児出産のリスクが上がるので、赤ちゃんに危険が及ぶことも考えられます。
歯周病を放っておかず、しっかりとケアをして全身の健康維持に努めることが大切です。
Treatment当院の歯周外科治療
患者さまが安心して治療を受けられるように、痛みの少ない・素早い処置を心掛けています
歯周病の外科処置は、「外科」という名の通り、お口の中(歯茎)を切開し、処置を行います。日帰りで処置が可能で大掛かりではありませんが、患者さまのお体に少なからず負担がかかっていることには違いありません。
麻酔を使用し、術中は痛みを感じないようにすることはもちろん、麻酔が切れた後の痛み止めを処方しています。また歯周外科治療の経験を多く持つ医師ができる限り短時間で処置を終わらせるよう努めています。手術時間はおおよそ1時間です。
精密な診断をするために、充実の設備・機器をそろえています
安全かつ正確に歯周外科治療を行うためには、歯科用の機器を使って精密な検査が必要です。それによって治療する場所を精緻に特定し、どのように治療をおこなえばいいか判断することができます。患者さまのお体の負担を減らすためにも検査をして正確な判断をすることは、大事なステップの一つです。
当院ではマイクロスコープという歯科用の顕微鏡を所有しているほか、その他検査に必要な機器をそろえております。またもし当院に用意がない機器が必要な場合は、他院と連携を図り、他院にて検査を受けていただいています。患者さまの安心と安全を確保するために、検査・診断を徹底しております。
フラップ手術
スケーリングやブラッシングの改善などの歯周基本治療で状態改善が見られなかったケースでは、フラップ手術を提案することがあります。フラップ手術は歯周外科治療のひとつで、歯肉を切開して直接歯根にアクセスできる状態を作ってから歯垢や歯石、感染組織などを取り除く方法です。歯周病によってダメージを受けた歯槽骨の形状を整える機会でもあるため、状態の改善に役立つことが期待できます。
歯周組織再生療法
歯周組織再生療法は、まずフラップ手術を行って歯石に付着した歯垢や歯石を除去してきれいにした後に、歯周組織を再生させる薬剤を使用する方法です。わかりやすく言うと歯を支える土台を再構築する手段で、発症前の状態まで歯槽骨を再生できるわけではありませんが、状態をかなり改善できるケースもあります。歯周病が悪化すると歯を失うケースが多いですが、歯周再生療法を使うと歯を支える歯槽骨をある程度取りもどすことができるため、大切な天然歯を抜かずに残したいと思う方におすすめしたい治療です。
当院で取り扱う薬剤は2種類ございます。患者さまの状態を診断・ヒアリングしたのち、適応可能かを判断の上、ご提案させていただきます。
リグロス(保険適用)
リグロスとは遺伝子組換え技術により大腸菌を用いて製造したヒト塩基性線維芽細胞増殖 因子(basic fibroblast growth factor(bFGF)、一般名:トラフェルミン(遺伝子組換え))を有効成分とする 歯周組織再生剤です。2016年9月より保険適用となりました。
エムドゲイン(保険適用外)
エムドゲインとは幼若ブタの歯胚から抽出・精製したタンパク質分画、エナメルマトリックスデリバティブ(EMD)にプロピレングリコールアルギネート(PGA)を加えた歯周組織再生材料です。
Merit メリット
- 歯周病で失った歯槽骨を取り戻せる
- 抜歯のリスクを抑えられる
- 骨量が増え、歯周ポケットの深さを改善できる
- 合併症のリスクが少ない
Demerit デメリット
- 自費診療になるため、保険診療に比べ費用がかかります
- 再生できる骨の量や範囲には個人差があります
- 口腔内の健康を維持するために、再生治療後は定期的なメンテナンスを必要とします
- 患者さまの持病によっては、エムドゲイン法による治療が難しいケースもございます
歯周病の範囲が広く、歯をほとんど失ってしまった方へ
歯周病がお口の中全体的に進み、歯をほとんど失ってしまった方には、むし歯・歯周病治療やインプラント、嚙み合わせ治療など様々な歯科治療を組み合わせ、お口の中の機能性・審美性を再生させる治療を行っています。このお口の中を全体的に治療する方法を、「全顎治療」といいます。
患者さまのお口の中の状態によって、どのようにお口の中を治療していくか方法は様々です。全顎治療の経験も多く持つ歯科医師が患者さまそれぞれの治療計画を立て、丁寧に治療していきます。オーダーメイドの治療法のため、まずはご相談ください。
Case症例紹介
北村歯科医院でこれまで治療してきた歯周病治療の症例をご紹介しています。ご自身の症状やその治療の参考にぜひご覧ください。
症例のなかで不明点などあれば、当院へお問い合わせください。