歯周病

生活習慣の改善で歯を失うリスクを抑えましょう

過度な飲酒、不規則な生活やストレス過多な状態など、好ましくない生活習慣は歯の寿命を縮めることが知られています。また、砂糖を含むお菓子や甘いジュース類などを取る量が多いとむし歯のリスクが上がりますし、喫煙は歯肉の血行を阻害するため歯周病を発症・悪化させやすい習慣です。このような知識をもっていれば、歯を失う危険性を減らすことができますから、ぜひ生活習慣を見直しましょう。

• バランスの取れた食事

  糖分が多い食生活を続けていると、お口の中に存在するむし歯の原因菌が活発化し、酸によって歯をどんどん溶かしていきます。そのため、糖分が多い食べ物や飲み物を控えることや、甘いものを摂った後は早めに歯みがきすることなど食事に関する生活習慣を見直すようおすすめします。

• 適切な歯磨き

  「食べたら歯を磨くこと」はできるだけ守っていただきたい習慣ですし、最低でも朝食後と寝る前の1日2回は歯磨きをする習慣をつけることをおすすめします。またすべての歯に毛先が当たるように歯磨きすることや、毛先が広がってきたら歯ブラシを変えることも重要です。

• 定期的な歯科検診

  定期的に歯科で検診を受けると、むし歯や歯周病を早期発見、早期治療できます。また、歯科衛生士によるプロケアで、セルフケアでは取れない歯垢や歯石を一掃できますし、ブラッシング指導で日々のセルフケアをレベルアップできるので、お口の健康に貢献します。

歯周病の原因

歯周病はお口の中の細菌がプラークとなって増殖し発症・進行します。プラークは歯と歯ぐきの間にたまって歯周ポケットを広げ、次第に深く潜って歯槽骨を溶かします。
また、食いしばりや歯ぎしり、喫煙の習慣や糖尿病があると歯周病が悪化しやすいことも知られています。

歯周病の進行

1. 01

   健康な状態

   

   状態

   歯と歯ぐきのすき間は、まだ1～3mm程度です。

   治療法

   定期的に歯科で検診を受けて、歯周病の発症、進行を防ぎましょう。

2. 02

   歯肉炎

   

   状態

   歯肉の腫れや赤くなる症状が出ますが、痛みを伴わないので気付きにくく、気付いても放置されがちです。

   治療法

   この段階で治療に繋がれば、プロケアとセルフケアで進行を抑制できます。

3. 03

   軽度の歯周炎

   

   状態

   歯と歯ぐきのすき間が広がって歯周ポケットが形成され、歯周ポケット内で細菌が増殖、歯肉や歯槽骨を溶かしていきます。

   治療法

   ブラッシングだけでは改善が難しいので、歯科医院で歯垢や歯石を除去しましょう。

4. 04

   中等度の歯周炎

   

   状態

   歯周ポケットが深くなって歯垢や歯石がたまり、細菌も増えて炎症も広がります。次第に歯がぐらつく症状も出てきます。

   治療法

   歯周ポケット内の歯垢や歯石を除去します。状態によっては歯周外科治療を提案するケースもあります。

5. 05

   重度の歯周炎

   

   状態

   歯槽骨が溶けて歯を支えにくくなるため、歯がぐらついて食事にも支障が出ます。また出血や口臭が増えることもあります。

   治療法

   放置すると歯を失う可能性が高いので、歯周外科治療などで対処します。

ブラッシング指導

歯周病は患者さまご自身がプラークを取り除けるようにならなければ改善することは難しいです。毎日のブラッシングでプラークをしっかりと取り除けるように、効果的なブラッシングを指導いたします。正しいブラッシングが習得できるまで当院がサポートいたします。

スケーリング

スケーリングは、歯の表面に付着したプラーク（歯垢）やスケール（歯石）を除去する処置です。スケーラーという専用機器を使って、歯周病の原因となるプラークとスケールを取り除くうえに、ステイン（歯面の着色）も取り除くので、歯面がきれいになります。
歯科医院では水が出る器具を使用しますが、これもスケーラーの一種です。

ルートプレーニング

ルートプレーニングは、スケーリングでは除去できない歯周ポケット内の歯垢や歯石を除去する処置です。歯周が悪化するほど歯周ポケットが深くなりますし、歯周ポケット内の細菌は炎症を起こしてさらに歯周ポケットを広げます。そのため、ルートプレーニングで歯周ポケット内を清掃する処置は、歯周病治療で欠かせない工程です。状態によってはルートプレーニングによる痛みを伴うこともあるので、痛みが予想される場合はまず麻酔の処置をしてからルートプレーニングの処置を始めます。