むし歯
歯を失う原因となる2台疾患は「むし歯」と「歯周病」
出典:(公財)8020推進財団.第2回 永久歯の抜歯原因調査報告書.東京: 8020推進財団; 2018.
日本人が歯を失う最大の原因は歯周病であり、第2位はう蝕(むし歯)です。また、歯は奥歯から失われる傾向が強く、より多くかみ合わせを支持する奥歯が失われることで、連鎖的にほかの歯も損耗しやすくなる悪循環が起こります。
さらに、若いうちはむし歯によって歯を失うケースが多いことに対して、中高年以上になると歯周病で歯を失うリスクが上がります。
ほかにも、歯を失いやすいのは、過去に治療した経緯がある歯や、部分入れ歯の金具で負荷をかける歯であることなど、正しい知識があれば歯を失うリスクを軽減できます。そのためにも、ぜひ当院でアドバイスを受けてください。
生活習慣の改善で歯を失うリスクを抑えましょう
過度な飲酒、不規則な生活やストレス過多な状態など、好ましくない生活習慣は歯の寿命を縮めることが知られています。また、砂糖を含むお菓子や甘いジュース類などを取る量が多いとむし歯のリスクが上がりますし、喫煙は歯肉の血行を阻害するため歯周病を発症・悪化させやすい習慣です。このような知識をもっていれば、歯を失う危険性を減らすことができますから、ぜひ生活習慣を見直しましょう。
バランスの取れた食事
糖分が多い食生活を続けていると、お口の中に存在するむし歯の原因菌が活発化し、酸によって歯をどんどん溶かしていきます。そのため、糖分が多い食べ物や飲み物を控えることや、甘いものを摂った後は早めに歯みがきすることなど食事に関する生活習慣を見直すようおすすめします。
適切な歯磨き
「食べたら歯を磨くこと」はできるだけ守っていただきたい習慣ですし、最低でも朝食後と寝る前の1日2回は歯磨きをする習慣をつけることをおすすめします。またすべての歯に毛先が当たるように歯磨きすることや、毛先が広がってきたら歯ブラシを変えることも重要です。
定期的な歯科検診
定期的に歯科で検診を受けると、むし歯や歯周病を早期発見、早期治療できます。また、歯科衛生士によるプロケアで、セルフケアでは取れない歯垢や歯石を一掃できますし、ブラッシング指導で日々のセルフケアをレベルアップできるので、お口の健康に貢献します。
Tooth Decayむし歯について

むし歯の早期発見・早期治療で健康な歯を守りましょう
初期のむし歯は自覚症状がないまま進行するので、痛みを感じる時期にはすでにある程度進行している状態です。むし歯が悪化すると、神経を抜く治療が必要になることがありますし、さらに重症化すると歯を失うリスクが高まります。これを踏まえると、痛みを感じてから通院を始めるのはリスクが高いことがわかります。痛みを感じる前の初期状態で発見するため、そもそも発症しないためにも、ぜひ定期検診をご利用ください。
こんなお悩みありませんか?
- 歯の溝が黒い
- たまに歯が痛む
- 冷たい飲み物や甘いものがしみる
- 食べ物が同じ場所に挟まる
- 時々歯から血が出る
- フロスが引っかかる感じがする
むし歯の原因
むし歯が発症する条件には、お口の中の細菌の数、糖質、歯の質、時間の4つがありそれぞれが絡み合って発症に至ります。むし歯の原因となる細菌は糖分が多い食生活で増殖しやすく、酸性の物質を出して歯を溶かします。また、歯質が強ければむし歯を発症しにくいですし、糖分がお口にとどまる時間が長いほどむし歯リスクが高まります。そのため、糖分が多い飲食を避けることや、フッ素などで歯質を強化すること、食べたら早めに歯みがきをして、糖分がお口の中に長くとどまらないようにすることが重要です。
細菌

糖質

歯の質

時間

むし歯の進行
-
CO
初期のむし歯

- 状態
- COであれば歯の表面が溶け始めた状態で、まだ歯に穴はあいていません。この状態を「脱灰」とも言います。
- 治療法
- 歯科医院でのクリーニングや日々のセルフケアで経過観察を行います。
-
C1
エナメル質のむし歯

- 状態
- 歯の表面のエナメル質が浸蝕されている状態です。
- 治療法
- むし歯菌が出す酸で侵食された部分を最小限除去し、削った量に応じて、ダイレクトボンディングやつめ物・かぶせ物でカバーします。
-
C2
象牙質のむし歯

- 状態
- エナメル質の内側にある象牙質が侵食されており、冷たいものや熱いものがしみる症状が見られるようになります。
- 治療法
- むし歯に侵食された部分を除去し、つめ物・かぶせ物で補います。また神経付近が侵食されている場合も歯髄保存療法でできるだけ神経を守ります。
-
C3
神経まで進行したむし歯

- 状態
- 歯の中央部にある神経にむし歯が進行しています。神経で炎症が起こると激しい痛みを伴います。
- 治療法
- 神経を包む組織である根管を清掃する根管治療が必要となります。歯を削って根管内部を清掃し、薬剤を詰めてかぶせ物でカバーします。
-
C4
歯の根っこまで進んだむし歯

- 状態
- むし歯が進行して露出部分の多くが溶かされています。歯根に炎症が起こると激しい痛みを伴いますし、膿がたまって口臭がきつくなることもあります。
- 治療法
- 多くの場合抜歯が必要な状態で、抜歯後はブリッジ、入れ歯、インプラントなどで補う必要があります。
Treatment当院のむし歯治療
できる限り痛みを感じないための工夫
当院では麻酔を行う際の痛みをできるだけ少なくして患者さまの苦痛を軽減するために、麻酔の注射を行う部分にまず表面麻酔を塗布します。これによって針を刺す痛みが感じにくくなります。さらに、麻酔液の注入には電動麻酔器を使用します。電動麻酔器は麻酔液を一定の速度と圧力でゆっくりと注入するので、麻酔を注射する際の痛みを感じにくいメリットをもっています。
適合不良の補綴物からのむし歯の再発を防ぐ治療
むし歯に侵食された部分を削ったあとには、補綴物(つめ物・かぶせ物)でカバーする処置が必要です。しかし、補綴物がしっかりフィットしていないと、すき間から細菌が侵入してむし歯が再発することがあります。そのため当院では、できるだけ適合性が高いつめ物・かぶせ物を提供するように努めています。
補綴物の不適合によってむし歯が再発した場合、抜歯を選択する局面もあり得ますが、当院ではできるだけ抜歯を回避するためにMTMという手法を用いることもあります。MTMなら歯根から歯質を引き上げて挺出矯正できるので、抜歯を回避して大切な天然歯を守れる可能性を高めてくれます。
むし歯で歯を失った方へ
保険適用・適用外のブリッジ、入れ歯やインプラントの選択肢から
様々な治療法をご提案します

むし歯は軽度であれば詰め物だけで治療ができますが、進行が進むと歯そのものを失います。そのような方には、ブリッジ・入れ歯・インプラントなど選択肢があります。また入れ歯とブリッジには、保険適用されるものと適用外のものがあります。それぞれ治療法や器具のメリット・デメリットを診療の際に丁寧にご説明させていただいております。
当院にはインプラント治療の経験と技術がある医師が在籍しており、患者さまのご希望によってインプラント治療が可能です。インプラント治療を検討されている方は、お気軽にご相談ください。

Case症例紹介
北村歯科医院でこれまで治療してきた症例をご紹介しています。ご自身の症状やその治療法の参考にぜひご覧ください。
症例のなかで不明点などあれば、当院へお問い合わせください。